時間管理とは? 定義とその必要性、具体的な方法とそのポイント

時間&タスク管理

労働時間に対する制約が厳しくなり、またワークライフバランスが説かれる昨今では、以前にも増して時間を有効利用することが重要になってきています。そのため、上司から「きちんと時間管理しろ!」とハッパをかけられている方も多いのではないでしょうか。

しかし、その「時間管理」とは何なのか、きちんと説明を受けて納得している方は意外と少ないように思います。

そこで本記事では、そもそも時間管理とは何をすることなのか、なぜそれが必要なのか、実践するためには何がポイントなのか、についてお伝えします。

時間管理とは何か

そもそも時間管理とは、何なのでしょうか。一般的には、以下の2つの意味で使われていることが多いです。

  1. 人と会う約束や仕事の納期といった仕事上の重要な「時間や期限」を把握し、それを守るための取り組み
  2. 自分の時間の使い方を把握してコントロールし、時間を有効活用するための取り組み

本記事では、1.を「時間を守るための時間管理」、2.を「時間効率を高めるための時間管理」と呼び分けます。

以降ではそれぞれについて、なぜ必要なのか、具体的な方法、および実践のポイントについてお伝えしていきます。

時間を守るための時間管理

なぜ必要なのか

誰にとっても「時間」は貴重なものです。失ってしまった時間をお金で買い戻す、などといったことはできません。そのため仕事の依頼者にとって「いつまでにほしい」という希望が必ず生まれるため、納期はどんな仕事にもあります。(いつまででも待つ、というお客様は存在しません。)

その納期を守るために、約束の期日・時間をきちんと把握し、間に合うように作業をコントロールする必要があります。納期を守れない、ということは相手の貴重な時間を無駄にする行為です。「間に合わなかったけれどベストは尽くしました」では言い訳にもなりません。

もしかしたら、あなたが交わした約束や受け持つ仕事は「些細なこと」だと思っている方もいるかもしれませんね。仮にそうだとしても、あなたの仕事の成果物を受け取り、手を加えてさらに次のお客様に渡していく、という流れが必ずあるはずです。そのため、あなたが時間を守れなかったならばその裏では多くの人に影響がつながっていくのです。

具体的な方法

実施事項① 準備 時間管理に使うツールを決める

時間管理に使うツールとしては、具体的には手帳などのアナログツール、PCやスマートフォンから利用できるカレンダーアプリなどのデジタルツールがあります。

約束や納期などの時間が把握できればよく、「これしかない!」という絶対的なものはありません。
ご自身の好みで選んでいただければよいと思います。

筆者おすすめは『Googleカレンダー』です。クラウドツールなのでPCやスマートフォンなど、さまざまな環境、場所から時間の登録や参照ができます。

実施事項② 人と会う約束や仕事が入ったら時間を記録する

約束したとき、仕事を引き受けたときに、その日付・納期と時間を確認し、管理ツールへ記録します。

実施事項③ 定期的に時間管理ツールを確認し行動につなげる

管理ツールに記録している約束や納期の情報を定期的に参照し(例えば午前午後1回ずつ)、その時間を守れるように行動します。

※ 利用するのがデジタルツールの場合はリマインダー機能が使えます

実践のポイント

使う管理ツールはひとつに絞る

時間管理に使うツールはできるだけひとつに絞り、分散させないようにしましょう。分散させると見落としによる対応忘れを生む原因になります。どうしても分けるのならば、仕事用とプライベート用の2種類までにしましょう。

複雑な付属作業を伴う場合は合わせて「タスク管理」が必要

人と会う約束や仕事の納期を守る際、付属する作業が発生する場合が多くあります。

例えば、「10時にお客様の本社で会議」という約束である場合、「前日までに配付資料を作成しメールで送付」、「当日朝、お客様先へ移動」などの行動が必要になります。

その場合は、それらに要する時間から逆算しスケジュールを立てる必要があります。この付属作業が多く複雑である場合は、時間管理だけでなく「タスク管理」も合わせて行う必要があります。

※ タスク管理についてはまた改めて記事にする予定です

時間効率を高めるための時間管理

なぜ必要なのか

自分の時間感覚は、案外あいまいなものです。楽しいことをしているときはあっという間のように感じ、逆につまらないことをしているときはいつまでたっても時間が過ぎない、というように感じた経験は誰しもがしているでしょう。

それはつまり、自分の感覚だけに頼ると、「重要なことに時間を費やしていないのに『いっぱい頑張った』という誤った実感を得てしまう」可能性があるということです。そうした誤った実感を得ることを防ぐには、自分の感覚だけに頼るのではなく、何らか客観的に測定し管理することが大切です。

上では他者の時間を奪わないことの大切さを説きましたが、自分自身の時間ももちろん有限であり貴重なものです。自分の貴重な時間を何に費やすのか、をコントロールしないと、気づけば「どうでもいいこと」に埋め尽くされる人生になってしまいます。

具体的な方法

実施事項①「何にどのくらい時間を使うのが理想か」を明確にする

まず最初に、一週間分の「理想の時間割」を作ります。
(一週間を基本単位としてパターン化されたスケジュールで活動される人を想定しています。そうでなければ「理想の一日の時間割」でも構いません)

あなたにとってできるだけ「重要な活動」を重点的に配置し、どのくらい時間を割くのが理想かを考え、「何曜日の何時から何時までは何をする」について可視化しましょう。

どのような活動が重要だと言えるのか、はその人の職業や価値観などにより具体的には異なります。自分個人の活動についてであれば、自分の夢や本当にやりたいこと、大切にしていることを明確にし、それらに結びつく活動をイメージすると良いでしょう。

仕事面での活動であれば、組織内で共有されているノウハウや書籍などに書かれている内容を参考にし、成果を上げる上で重要な活動を把握しましょう。

目安として書籍『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(スティーブン・R・コヴィー、キングベアー出版)に書かれている事例を紹介します。

重要な活動重要でない活動
危機への対応飛び込みの用事、多くの電話
差し迫った問題多くの報告書
期限のある仕事多くの会議
予防無意味な接待や付き合い
成果を生み出す能力を高める活動期限のある催し物
人間関係作り取るに足らない仕事、雑用
新しい機会を見つけること多くのメール
準備や計画暇つぶし
心身をリラックスさせること快楽だけを追求する遊び

実施事項②「実際には何にどのくらい時間を使っているのか」を把握する

実際に行っていること、およびその開始/終了時間(=実行時間)を記録します。ある程度大まかでもよいので、「使途不明時間」ができるだけなくなるようにしてください。

この手順についてはアナログ的手法(例えば紙とペン、時計を使い記録していく)は手間がかかり難しいと思います。デジタルのタイムトラッキングツールを使いましょう。
無料で使えるものとしては、以下が有名どころです。

これらを使えば、PCやスマートフォン、Apple Watchなどを使い(比較的)簡単に活動時間を記録できるだけでなく、記録した活動時間の集計・グラフ化なども行えます。

実施事項③ 理想の時間割と実際の活動時間を比較し、ムダを削る

理想の時間割と実際の活動時間とを比較します。そうすると、重要ではない活動に対し多く時間を使っている部分が見つかるはずです。それらに対し以下の手を打ちましょう。

  • (ちょっとずつでもいいので)辞める、やる時間を減らす
  • 誰かに任せる
  • 工夫してスピードを上げ、所要時間を減らす

実践のポイント

「理想の時間割」は、いきなりムリをしすぎない

「重要ではない活動が何か」、が整理できたとしても、いきなりそれをゼロにするのは難しいでしょう。あまりに無謀な理想を描いたとしても、理想と現実とのギャップが生まれすぎてやる気を失いかねません。

当面は、実際の活動時間に対し「重要ではない活動の時間を10%程度減らす」くらいを時間割にしておくと良いでしょう。

作業時間見積の精度アップという大きなメリットがあるので、実作業時間の記録は面倒でも継続する

タイムトラッキングツールを使えば比較的簡単だ、とはお伝えしましたが、作業名を入力し開始と終了のタイミングでアプリを操作することになるので、それなりに手間です。

ですがここで継続して多くの実データが集まれば、似たような作業を改めてする際に「以前はこのくらい時間がかかっていたから次はこのくらいだろう」というように所要時間の見積りに活かすことができます。

まとめ

本記事では、時間管理とは何か、なぜ時間管理が必要なのか、時間管理とは具体的に何を行うのか、および時間管理を実践する上でのポイントについてお伝えしました。

  • 時間管理の定義① 人と会う約束や仕事の納期といった仕事上の重要な「時間や期限」を把握し、それを守るための取り組み
    • 準備 時間管理に使うツールを決める
    • 人と会う約束や仕事が入ったら時間を記録する
    • 定期的に時間管理ツールを確認し行動につなげる
  • 時間管理の定義②自分の時間の使い方を把握してコントロールし、時間を有効活用するための取り組み
    • 「何にどのくらい時間を使うのが理想か」を明確にする
    • 「実際には何にどのくらい時間を使っているのか」を把握する
    • 理想の時間割と実際の活動時間を比較し、ムダを削る

繰り返しになりますが、時間とは誰にとっても貴重なものです。時間とうまく付き合い、豊かな人生をお過ごしください。

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